耳鳴り

耳鳴りとは、外部に音源がないのに、自分の耳や頭の中で音が聞こえる状態をいいます。
病名ではなく、何か他の異常や病気が原因となって現れる症状です。

耳鳴りが起こる原因は様々で、ストレスや疲労、外耳・中耳の炎症などで音の伝達経路が塞がれる、
加齢や騒音による内耳にある有毛細胞鼓膜が損傷したり、聴神経腫瘍や神経の異常や、
内耳などで音が伝わらなくなると、脳がそれを補おうとして勝手に音を作る中枢性耳鳴りなど
があり、難聴を伴うことが多いです。

《原因》

ストレスや疲労、首・肩の緊張やこり、睡眠不足
加齢性難聴
耳の病気　突発性難聴、外耳炎、中耳炎(感染症に伴う炎症)、メニエール病、耳管狭窄症　など
大音響による耳の外傷、イヤホンなどでの長時間使用
脳の病気　脳梗塞、脳腫瘍
高血圧、不整脈

《種類》

「キーン」「ピーン」という高音性の耳鳴り
「ザー」「ゴー」「ブーン」などの低音性の耳鳴り
左右いずれか片方の耳だけ耳鳴りが聞こえる場合　など

古典医学では、「腎気通於耳(腎気は耳に通ず)。耳和則知五音矣(耳和するときは五音を知る)」として
耳の疾患は、腎が虚していると基本的には考えます。(参考「陰陽・五行・気血津液」)
現在の腎臓というと臓器であり、血液をろ過して余分なものや水分を尿として排出する働きをしています。
古典での腎は、水を主り、調節している点は腎臓と似ていますが、それ以外に生命力の
維持もおこなっており、人体の成長発育、生殖機能に関わっているなどたくさんの役割を担っており、
広い概念を持っています。

当院のアプローチは、上焦(胸より上)、特に頭部に熱が多いと考えて施術するケースが多いです。
いわゆるのぼせですが、その原因は様々です。血の巡りが悪くなってアンバランスになっていたり、
風邪が長引いた後に熱が残ってしまっていたり、などなど。

腎という働きが弱っている可能性もありますが、その働きが弱る原因が他にあるかもしれませんので、
耳鳴りの症状以外の質問もさせていただきます。
睡眠や食事、気分の浮き沈みの有無、仕事や学業、家事などの忙しさ、身体の痛みの有無など
様々な質問、そして直接お身体に触れることで推察していきます。

「病院に行ってみたが、原因がわからない。でも気になる」

「就寝時に耳鳴りが気になるので、テレビをつけないと寝れない」

など日常生活で支障が出ている場合は、鍼灸という選択肢を考えてみてください。