経絡治療

経絡治療

経絡治療とは、日本の伝統鍼灸の１つですが、その誕生は昭和に入ってからになります。

「昭和にできたのに伝統といえるの？」と思われる方もいるかもしれませんが、治療方法の元になっているのは、鍼灸が誕生した中国の約２０００年以上前の書物になります（『素問』『霊枢』『難経』等）。それらの書物の内容は紀元前から行われてきた医学の診断、治療法で古典医学と呼ばれます。この古典医学のエッセンスを現代に取り入れ、活かし発展させてきたのが経絡治療です。

鍼灸にはさまざまな流派や、学派があります。大きく分けると「古典医学」と「西洋医学」に分かれますが、両方を折衷している人もいます。古典医学は、東洋医学、伝統医学、中医学などとも呼ばれます。経絡治療は、古典医学の流派の一つという位置づけになります。

古典医学の考え方は、西洋医学のそれとは違い、独特な概念をものさしにして、人の身体、病気を診る医学です。基本は「元気」と「バランス」です。

元気とは、いわゆる元気がある／ないのことです。元気があれば病気になりにくい、逆に元気がなければ風邪をひきやすい、不調になりやすいということになります。この元気は生まれ持ったものや長年の習慣、体質などに由来するためすぐに変化させることはできません。

バランスとは、「陰陽」「気・血・津液」「五行」などのバランスになります（用語の解説は、別途投稿します）。身体全体のバランスをととのえることで不調を改善していくため、部分的な症状だけでなく全身の改善を見込めます。

当院の治療法は、「経絡治療＋漢方医学」の考え方で治療を行います。

漢方も湯液と呼ばれ、古典医学の一部です。古典医学では鍼灸・湯液・あん摩と組み合わせて治療法を確立しています。当院では鍼灸だけでなく、漢方の考え方も取り入れ、ときにはあん摩(マッサージ)も用いることで複雑にはなりますが、より複雑な症状、症例に対応しています。

昔の人と現代の人、とりまく環境や生活スタイルはかなり変化していますが、本質的な人間の営みや悩みは変わらないと当院は考えています。これまで先人の方々が積み上げてきた治療法であなたの不調や症状の改善を目指します。